仕事

掛け算で働くとは?【時給・月給の壁を超える】

働き方は大きく2つに大別することができます。

固定給で働くか否かです。

この記事では、それらを「足し算で働く」「掛け算で働く」と表現しています。

このワードは、自分が中学の頃、どこかのサイトで最初に「固定給ではない働き方」を知った時に使われていた表現です。

2つの働き方については本文で詳しく解説しますが、両親はこの分類のうち「足し算」の方の働き方で働いていました。

そのため、当時はそもそも「掛け算で働く」という概念がありませんでしたが、その「足し算」の他に「掛け算」の働き方があることを知って、衝撃を受けた記憶があります。

今回はそんな働き方の違いについてです。

「足し算で働く」「掛け算で働く」

働き方は大きく2つに分けられる

仕事と言われると、時給や月給などが決められており、いつも働いた分だけの給料がもらえる、そんなイメージする方も多いのではないでしょうか?

期間に対して給料があらかじめ決められている形、これは固定給と呼ばれています。

一般的なバイトやサラリーマンなどはこの働き方ですよね。

この場合、例えば時給1000円として働くと、1時間では1000円、2時間では2000円を得ることができます。
(色々引かれたり細かい話は無しにします。)

つまり、作業量に応じて足し算で給料が決まると言うことです。

一方で世の中には固定給ではない働き方も存在しています。

こちらは時間ではなく、仕事の成果を基準にして給料が決まります。

小説家やフリーランス、ユーチューバーなどが挙げられます。

例えばユーチューバーの場合、同じ時間をかけて動画を作成したとしても、同じだけのお金が入って来るわけではありません。

収益は動画の再生数に依存し、努力次第で2倍3倍となり得ることがあるのが特徴です。

すなわち、掛け算で給料が変化します。

2つの働き方の決定的な違い

決定的な違いは、ずばり得られる給料に上限があるかないかです。

先ほどの例を引き続き利用して説明すると、時給1000円で働く場合、1日は24時間ですから、いくら頑張っても1000円×24時間=24000円が1日で稼げる上限額となります。

もちろんこれは寝ても食べてもいないので現実的ではありませんが、肝心な点はそこではありません。

重要なことは、時給(や月給)での働き方、すなわち足し算の働き方には、得られる給料に上限があるということです。

もう一方の「掛け算で働く」、ユーチューバーの場合を考えてみましょう。

こちらは自身の作業量ではなく、再生数が主に収入を決める要素となるため、給料に上限がありません。

厳密にはYouTubeの利用者数が上限だなどと言えるのかもしれませんが、少なくともYouTubeほどの規模であれば無視して良いでしょう。

ここで給料に上限が無いとは何を意味するのでしょうか?

簡単に言えば、億万長者になれるかなれないかを分ける分岐点になるということです。

億万長者と言われても、ピンと来ないかもしれません。

そんな方は、誰か「この人はお金持ちだ」という人を1人思い浮かべてみてください。

その人はきっと、固定給ではなく、成果を基準に掛け算で働いていませんか?

先ほど挙げた職業の他にも、例えば経営者は掛け算で働く職業に分類されます。

なんだか「掛け算で働く」方が優れていて、夢のある仕事のように感じてきたかもしれません。

足し算で働くことの利点

この記事の中心は「掛け算で働く」方なのですが、その前に「足し算で働く」ことにも注目しておきます。

足し算で働くことの利点、掛け算で働くよりも優れていることは何でしょうか?

一つに、一定の給料が保障されているということが挙げられます。

これはすなわち、生活の安定を意味します。

掛け算で働く場合、頑張り次第で2倍3倍の収入を得られる可能性があると言いましたが、掛け算であるということは、いくら努力してもそこに0が掛かると収入は0です。

マイナスがかかることもあるかもしれません。

もう少し具体的に言うと、ユーチューバーの場合、知名度が上がるまでは時給換算すると限りなく0に近い収益しか発生しません。

膨大な作業量に対して再生数0が掛かっている状態だからです。

撮影機材や編集ソフトに投資すれば、マイナスになることもあるかもしれません。

経営者を目指して起業する場合も同様です。

話を戻して、足し算で働いていれば、そのような不安定は基本的に起こりません。

きちんとタスクをこなしていれば、一定の給料が保障されているということは、掛け算で働く人たちからすればとても羨ましいことです。

それだけではありません。

  • 仕事環境が用意されている
  • 有給制度がある
  • 病気になった時の保障がある
  • ボーナスが出ることがある
  • 退職する時には退職金が出る

これらは経営者やフリーランスにはありません。

そう考えると、必ずしも掛け算で働くことの方が優れているとも断言できません。

足し算で働くことにはこのような利点がありますから、こちらも良い選択であると言えます。

掛け算で働くことの利点

それでは、ここからは掛け算で働くことの利点について、詳しく考えていきます。

収入に上限がない

既にお話ししてしまいましたが、やはり収入に上限が無いということは、掛け算で働くことの特徴的な点であると言えます。

「時給」や「月給」という考え方を捨て、「自身の時間を売るのではない」という思考の転換ができると、給料の上限が取り払われます。

特にデジタルが関連する分野で考えると分かりやすいです。

例えば何かソフトウェアを作成し、販売することを考えてみます。

デジタルなソフトウェアの場合、購入と引き換えになるものはダウンロードする権利になります。

実体を販売するわけではないため、そこには製造に要する時間や売り切れなどの概念が存在しません。

また制作者は寝ていても問題ありません。

1度作れば、24時間収益が発生し続けるのです。

これが足し算で働くこととの決定的な違いであり、収入に上限が無い仕組みが実現する理由です。

ただし、現実はそう簡単ではないことには注意が必要です。

今の例でも、本当に24時間収益を発生させ続けようとすると、マーケティング力などを含め、幅広い知識が必要となります。

また収入に上限が無いことは、裏を返せば下限もありません。

投資とただの借金を区別出来なければ、事業は失敗してしまいます。

ハイリスク・ハイリターン、それが掛け算で働くということなのかもしれません。

仕事に本気になる

掛け算で働くと仕事に本気になれるということに関して、足し算で働く場合と比較して考えます。

足し算で働くことの利点には収入の安定があると言いましたが、ここには1つ落とし穴があります。

それは怠惰を生みやすいということです。

固定給の場合、与えられたタスクをこなしさえしていれば、給料は得られます。

捉え方を変えると、クビにならない程度に上手に怠けていても、収入は減りません。

逆に見えないところで努力しても、報われないこともあります。

このような事実があると、多くの人は楽な方を選んでしまいますよね。

掛け算で働く場合は、良くも悪くもそのようなことはありません。

1つ1つの行動全てが自身の収入を決める要素となるからです。

言い換えれば、努力が収入にダイレクトに反映されるということです。

ですから、本気で稼ぎたいならば、本気で働かなければなりません。

大変に思われるかもしれませんが、それだけ仕事に充実感ややりがいを感じやすいとも言えます。

時間を有意義に使えるようになる

掛け算で働く場合、時間を売るのではないため、同じ時間で効率良く成果を生み出すことを考えるようになります。

経営者をはじめ掛け算で働く人たちは皆、そのような思考をしていると思います。

実は時間に縛られないということは、働き方の幅が広がることを意味しています。

億万長者目指して稼ぎまくるも良しですが、最低限必要な生活費をより短い時間で稼ぎ、残りを自由な時間に費やすという選択も可能になります。

人生で必要なお金を若いうちに稼いでしまって、セミリタイアも良いかもしれません。

アメリカなどではそのような考え方もあったりします。

気になった方は「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」と調べてみてください。

コンピュータの浸透・AIの浸透で、今後ますます効率的に働くことが重要視され、日本にもその風潮がやって来るかもしれません。

このように時間の使い方、ひいては人生の過ごし方を考えることができるのは、掛け算で働くことの利点なのではないでしょうか?

もちろんこのような理想的な生活を送るためには、相応の努力は欠かせません。

時間の使い方を自身で自由に考えられることは本来は利点であるべきですが、捉え方を間違えてしまうと、仕事と趣味の境界が曖昧になりやすかったり、無駄な時間を浪費しやすかったりするということでもありますから、注意は必要です。

「掛け算」人生を成功させるために

スキルが重要・そのための学習を怠らないこと

経営者やフリーランスなど、掛け算で働く仕事は個人の力が成功を大きく左右します。

これは、本気で仕事に取り組まなければならない、怠けていてはいけないという話と関連しています。

例えばフリーランスでプログラミングの仕事を請け負った場合を考えてみましょう。

時間ではなく成果が基準となるこのような仕事の場合、注目されるのは完了したか否かのみです。

「どれだけの時間をかけて」という部分には関心がありません。

つまり、あえて時給換算という考え方をすると、その仕事の価値は「報酬/かかった時間」で決まります。

分母が大きくなると、それだけ価値は低下してしまいます。

それでは分母を小さくする為には、どうすれば良いか。

答えは「スキルを高める」ことにあります。

その仕事に関する知識や技術を磨き、質や効率を高めることが収益の増加に繋がります。

そして、スキルを高めるためには学習が欠かせません。

これは先ほど述べた「努力がダイレクトに反映される」ということと、深く結びついていることに気付いていただけるかと思います。

経営者視点を持とう

「経営者視点を持つ」ということは、起業するとか社長になるとかに限らず、全ての人におすすめしたい事柄です。

はじめに、掛け算で働く仕事は、基本的に全てが一種の起業であると捉えることができます。

ユーチューバーでも、1つのチャンネルを立ち上げることは起業に相当します。

  • チャンネルの知名度を高める
  • 新規性を見つけ、個性・オリジナリティをアピールし戦う
  • 需要を見つけ、そこに供給する
  • 動画の視聴によってどのようなリターンを与えることができるか考える

まさにやっていることは経営者と同じです。

さらに言えば、経営者視点が必要なのは掛け算で働く場合だけではありません。

例えば会社に雇われる立場でも、欠かせない考え方なのです。

自身を1つの商品として会社に売り込む(就活・転職)には、どのようにすれば良いでしょうか?

  • 他の人材とは異なる点
  • 自身が会社にもたらすメリット
  • 自身の将来性

一例として、このようなアピールが考えられます。

これらは経営者視点で「どのような人材を雇うべきか」を考えると、次第に見えてくるのではないでしょうか?

時代の流れを感じ取る

時代は常に変化し続けています。

掛け算で働く仕事を起業であると捉えるならば、掛け算人生を成功させるためには、「需要と供給」がキーワードの1つになると考えられます。

需要の無い部分にいくら供給しても、0に掛け算している状態で意味がありません。

そうではなく、時代のトレンドを捉えたり、ブルーオーシャンを見つけて飛び込んだりすることで、高い利益を得られる可能性が高まります。

このように時代の波に上手く乗るためには、やはり普段から学習を続け、時代の変化を敏感に感じ取る姿勢が欠かせません。

特に変化がますます激しくなると予想されるこれからの時代、AIとの上手な共存が鍵を握ると考えられます。

その場に停滞していては、時代の波に置いて行かれてしまいます。

変化を楽しむくらいの気持ちで、積極的に行動を起こし時代の波に乗っていくことが、掛け算人生の成功に繋がるのではないでしょうか?

まとめ

掛け算で働くことを中心に、働き方や利点について考えましたが、必ずしも掛け算で働くことが優れているというわけではありません。

「給料に上限が無い」というワードだけに飛びついて掛け算の仕事を選択するのではなく、より広い視点で、自身に有益な職業は何なのか、考える必要があります。

また「「掛け算」人生を成功させるために」の項目は、全て「足し算」人生を成功に導くためにも重要な事柄です。

というのも、働き方に関係なく、今後は個人の力がより一層重要視されるようになると考えられます。

これからの時代は終身雇用ではありません。

経営者側の視点で考えれば簡単に分かることですが、出来ない人を雇い続けるメリットはありません。

それどころか、年々その人への給与が増えていくなんて、害でしかありません。

アメリカなどに見習った実力重視の企業が増加することを考えると、個人の力を高めるために、学び続ける姿勢が欠かせません。