将来のキャリア形成を考えるときにキーワードとなる「スペシャリスト」と「ジェネラリスト」。
それぞれの特徴と生き方について考えます。
Contents
スペシャリスト的生き方
良いところ
スペシャリストの良いところとして、実績が見えやすいことが挙げられます。
スペシャリストの理想は、その分野で自身の右に出るものはない状態、すなわち1番を目指すことです。
仲間でありライバルでもある他のスペシャリストたちと、トップを目指して切磋琢磨し合うことで、お互いに能力を高め合うことができます。
1つのことに熱中したり、極めたりすることが好きな場合、スペシャリスト的生き方は相性が良いでしょう。
そして、熱中できる何かがある、ナンバー1と自信を持てる何かがあるということは、仕事のやりがいにも繋がります。
また、実績が見えやすいというスペシャリストの特徴は、転職などの際にも有利に働くことがありそうです。
実績が見えやすいと、アピールや評価がしやすくなります。
企業の欲している能力とジャストフィットすれば、採用率も一気に高まります。
悪いところ
知識が1点に集中していることが、デメリットとなる可能性が挙げられます。
- その専門分野の人気が衰えたとき
- その専門分野の需要が低下したとき
スペシャリストはもろに影響を受けることになります。
例えばプログラマで考えてみます。
特定の言語のスペシャリストなプログラマの場合、その言語の人気が無くなったら終わりです。
会社に首を切られてしまうかもしれません。
そうでなくても、給料が低下したり、仕事を獲得しにくくなったりする恐れがあります。
これは、スペシャリストは、自身の持つ能力こそが価値の全てだからです。
その価値が社会から見て低下するということは、アピールできる要素が無くなってしまうことを意味します。
そのため、実績・給料・転職など、全ての面で不利となってしまいます。
スペシャリストとして成功するために
スペシャリストとして成功するためには、その能力・分野の需要・将来性を見極めることが重要です。
30年、40年働く中で、時代は必ず変化します。
そのままなんてことは、絶対にありません。
例えば、「AI(人工知能)」は現在注目されている分野の1つです。
しかし、将来的にこの人気が続くとは限りません。
実際、現在のAIブームは3度目であり、過去の2度のブームの後には、冬の時代も経験しています。
3度目の注目からもかなり経ち、既に研究は落ち着いてきたようです。
ですから、スペシャリストと言っても、1つのことに固執しているだけではいけません。
時代の変化・需要の変化にあわせて、自身の能力を常にアップデートし続けていく必要があります。
自身の客観的な価値を保ち続けることが大切です。
ジェネラリスト的生き方
良いところ
ジェネラリストの良いところとして、幅広い知識を得られることが挙げられます。
それは、ジェネラリストには、幅広い視点から総合的な判断を行う能力が求められるからです。
多くの人と関わり、多様な知識や思考を吸収できることは、ジェネラリストの利点です。
また、日本の企業においては、「ジェネラリスト≒管理職・上位職」という場面が多くあります。
つまり、ジェネラリストは給料や上下関係の面で優位となる可能性があります。
さらに、ジェネラリストは広範囲の知識をカバーしている分、融通が利きやすいとも言えます。
カバーしている知識の中から、時代に合わせて注力する部分を変化させたり、特定の分野を極めてスペシャリストに転向を考えることもできるかもしれません。
悪いところ
他者からの能力の判断が難しいことが、デメリットとなる可能性が挙げられます。
スペシャリストとは異なり、実績が数値に現れたり、目に見えたりしづらいためです。
もちろん分野にもよりますが、例えばソフトウェアの作成は評価しやすいですが、プロジェクトの統括は評価が難しいと言えます。
社内では良くできる人だと好評でも、社外の人に実績をいかにアピールできるか。
転職を考える際には重要になりそうです。
そういう意味では、転職を繰り返してスキルアップと言うよりは、1つの会社で実績を積んでいくというようなキャリア形成が向いているのかもしれません。
ジェネラリストとして成功するために
ジェネラリストとして成功するためには、知識の集結に価値を生み出すことが重要です。
幅広い分野に精通していることはもちろんですが、それだけではいけません。
単独の知識をそれぞれ比べれば、専門としているスペシャリストには敵いません。
ですから、ジェネラリストは、それらを併せ持っていることを強みとする必要があります。
知識を掛け合わせて価値を生み出す、それが他者との差別化にも繋がります。
これからの時代を生き抜くために
お互いの生き方も知っておこう
どちらの生き方をするにせよ、もう一方からの視点も無くさないようにしましょう。
スペシャリストでも、リーダーになればチームをまとめる能力が必要となります。
ジェネラリストでも、スペシャリストと遜色ない知識力や技術力は欠かせません。
これは「スペシャリスト⇔ジェネラリスト」の対比に限りません。
思考の偏りは視野を狭め、間違った判断を招いてしまう恐れがあります。
言い換えれば、相手の立場に立って考える。
これにより、新たな視点から物事を見つめられるようになります。
日本企業の欧米化
これまでの日本企業は年功序列、そして終身雇用でした。
しかし、この方程式は既に崩れています。
欧米のように、実力を重視する企業が増えてきました。
技術力が低ければ淘汰される世の中。
そのような世界で生き残る1つの手段として、他者との差別化により、自身に価値を生み出すことが考えられます。
そのためには、常に学び続ける姿勢が欠かせません。
就職はゴールではなく、スタートです。
そして、ライバルは社員でも日本でもなく、世界です。
グローバルな時代を生き抜くためにも、変化する時代を生き抜くためにも、学びを大切にしましょう。
AIとの共存
もう1つの大きな変化として、AIとの共存が挙げられます。
仕事にAI技術が活用されるようになったり、場合によってはAIに置き換わるようになってきました。
これにより、いくらかの職業は無くなってしまうことが考えられます。
しかし、このような変化は否定することではありません。
これまでも数多くの職業が無くなり、また新たな職業が登場してきました。
そして、AI時代で重要になってくるのは、人間ならではの能力です。
例えば、創造力や感性など。
逆に単純作業はAIに奪われてしまいます。
AIの方が速くて確実なので、当たり前です。
AIを恐れるのではなく、上手に共存していくことが大切です。
まとめ
キャリアは人の数だけ様々ありますが、重要なことは共通しています。
- 思考力や創造力を磨き続けること
- 学び続け、自身をアップデートし続けること
- 将来を見据え、計画し、行動すること
また職業や立場に寄らず、マネジメント・経営視点を持つことはおすすめです。