- 小学生になったら、義務教育が始まるから、最低でも9年間勉強しなければならない
- 就職したら、勉強する必要はなくなる
これらは大きな間違いです。
俗に言う5教科の勉強をすることは無いかもしれませんが、大人になったら学習が不要になる、なんてことはありません。
学習量は年収にも比例する傾向があります。
生涯学習の重要性
時代の変化は早まっている
インターネットの普及により、世界中の情報を簡単に入手できるようになりました。
例えばアメリカの情報でも、人が直接日本まで伝搬してくる必要なく、日本にいながらすぐに知ることができます。
そこまで極端ではなくても、テレビや新聞が全てな頃から考えても、大きな変化です。
しかし、情報の拡散速度が高まったことで、技術の進歩は早まり、時代の変化も早まっています。
10年前の当たり前は、今はもう通用しません。
例えば、スマートフォン。
1人1台のスマートフォンを、10年前に想像できましたか?
少しずつ存在が認識されてきた頃とはいえ、まだ一般人の多くがガラケーでしたよね。
ほとんどの人が、また小学生であっても当たり前のように持つ時代になったなんて、驚きです。
では、10年後の2030年。
どのような変化が起きているでしょうか。
例えば、世界的に自動運転車が道路を走っている可能性。
十分にありますよ。
(日本は古い法律を引きずりがちなので、実現しているか分かりませんが。)
「そんなことはあり得ない」と疑われるかもしれませんが、そのくらい時代の変化は早まっています。
ですから、最先端を行く必要はありませんが、大人になっても学び続け、ある程度時代の変化を捉えることは大切です。
アメリカ的な働き方
既に生涯雇用と言う考え方は無くなっています。
経営者視点で考えれば当たり前ですが、できない人を雇い続けていても、会社にメリットはありません。
それどころか、雇い続ければ続けるほど、年々支払う給料が増えていくなんて、害でしかありません。
そこで、できなければ首を切り、能力がある人にどんどん置き換えていくという考え方が浸透してきています。
これはアメリカなど、外国では昔から当たり前だった考え方ですね。
労働者視点で考えれば、転職を繰り返してスキルアップをしていくということになります。
もちろん日本の「新卒」という考え方や、「会社が社員を育てる」という考え方も良いのですが、グローバル化の進む現代、アメリカ的な働き方は加速すると思われます。
そこで重要となるのが、スペシャリストになるということです。
なおここでのスペシャリストとは、「ジェネラリスト」と対比される「スペシャリスト」よりは、「スキルを持った人材」の意味合いが強めです。
スペシャリストはAI時代とも相性が良いです。
なにかのスキルに関して、自身の右に出る者はいない状態になれることが理想です。
もちろんそのスキルには、時代に合った需要は必要です。
需要は変化していきますから、常に学習し続け、高レベルのスキルを保ち続けることが重要になります。
副業やフリーランス的働き方の加速
2018年に副業が解禁され、副業人口が増加しました。
そして今年のコロナの影響を受けて、複数の収入源を持つことの重要性を感じた方も多いのではないでしょうか?
またフリーランスとして働く方も増えています。
実際、ランサーズの2020年フリーランス実態調査では、若年層のフリーランサーが増加しており、副業をしてみたいと考えている人も多くいるそうです。
https://speakerdeck.com/lancerspr/huriransushi-tai-diao-cha-2020
これらの働き方の共通点として、自分で仕事を取って来るということが挙げられます。
会社に行けば仕事が与えられ、それらをこなせば毎月一定の給料が入る。
このような受動的な働き方ではありません。
自分から動かなければ、給料は0です。
従って、このような働き方においては特に、常に学び続ける姿勢が大切となります。
その場に停滞は、退化を意味する
英語、使っていますか?
英語は、使っていないと忘れてしまいます。
大学受験の時にあれだけ頑張っていたにも関わらず、大学生になって少し英語に触れないでいただけで、英語力が衰えたと感じた方もいらっしゃるかもしれません。
人間の脳の容量が有限が無限か、は知りませんが、使わない情報の優先度が下がることは確かです。
脳は常に刺激を受け続け、変化し続けています。
記憶を冷凍保存しておくなんてことはできません。
ですから、使わなければ、その能力は衰えてしまいます。
漢字、書いていますか?
漢字も同様です。
スマホの普及により、手書きで文字を書く機会が大きく減少しました。
その結果、漢字を書けない人が増加しています。
ぼんやりとイメージはできているけれど、「どんな漢字だっけ?」と正確に思い出せないことはありませんか?
やはり日常的に使わなければ、その優先度は落ちていくのです。
余談ですが、先日このようなニュースがありました。
警察官のはずが「刑事」漢字で書けず通報、特殊詐欺グループの男逮捕
「警察官のはずなのに“刑事”という漢字が書けない」。
90代の男性が詐欺の被害に気づき通報、特殊詐欺グループの男が警視庁に逮捕されました。警視庁によりますと、容疑者は「刑事課の特殊詐欺防犯係」と名乗っていましたが、男性が連絡先を紙に書いてほしいと伝えると、「刑事課」の「刑」の漢字を「形」と間違え、「詐欺」の「詐」の字はごんべんしか書けず、男性が不審に思い通報したということです。
まるで漢字力の低下を象徴しているような事件です。
- 「受け子募集。ただし漢検○級以上」にしなければ・・・
- 漢字を書くスキルの重要性を再認識した
などと、別の意味でも話題になりました。
学びを止めると、相対的に退化していく
生涯学習が重要な理由は、これら英語や漢字と同じです。
脳は使わなければ、衰えます。腐ります。
さらにここでは、”相対的に”退化していくということについて、お話しします。
学校の勉強は、親世代と自分たちの世代では変わっています。
そして下の世代では、また変化しています。
一例として、今の小学生はプログラミング的思考を学び始めています。
「良かった~。もう少し遅く生まれていたら、プログラミングを学ばなければいけないところだった。」
などと言っている場合ではありません。
今後会社に入って来る後輩たちは、皆その能力を持っているということです。
しかも日本全体として、これからの時代の流れを考えたうえで取り入れているわけですから、重要でないはずがありません。
自身で同等の勉強をしなければ、時代に置いて行かれてしまいます。
これが”相対的に”退化するということです。
退化は自身の記憶力や技術の衰えによるものだけではありません。
- 周囲の能力の向上
- 時代の変化による、その能力の重要性の低下
古い知識や価値観に縛られているだけの人間は、ただの老害です。
常に学び続け、自身をアップデートしていくことが大切です。
センター廃止は大学生以上の大人にも関係がある
プログラミング的思考を学んだ日本人が育つということに関連して、センター廃止について考えます。
センター試験から共通テストへの最も大きな変化。
それは、思考力を見るようになったということです。
共通テストへの変更が正解・成功かどうかは置いておくとして、
- 思考力を重視したい
- そのような能力を持つ社会に変化させたい
- 丸暗記力は重要ではない
と考えていることは明らかです。
これは、人間とAIが共存していく未来で求められる人材と一致しています。
暗記や思考停止した単純作業は、コンピュータやAIにやらせれば済むことです。
仕事を奪うなと反発している暇があったら、時代の変化・需要を学びましょう。
「ラッダイト運動」のようなことを繰り返していてはいけません。
学習を習慣化させよう
習慣化すると、苦にならない
歯磨きや入浴など、ほどんどの人が習慣的に行っているはずです。
それらが苦だと感じることは、通常無いはずです。
むしろ、しない方が違和感があるくらいかもしれません。
これは、歯磨きや入浴が習慣になっているからです。
習慣化すると、無意識に行うことができるようになります。
(※ここで言う無意識とは、確かに行動自体は意識的なものですが、「始めるぞ」という意志や重い腰を上げる必要がないイメージです。)
学習に関しても、このような状態に持っていくことができれば、もうほとんど勝ったようなものです。
最初が一番苦しい
でも、その習慣化するまでが大変ですよね。
3日坊主になってしまうのは、これが原因です。
習慣を変えるためには、大きな労力が必要です。
だから多くの人は途中でやめてしまいます。
しかし、最初が一番苦しいということは、明日は今日よりも苦しくないし、明後日はもっと苦しくないということです。
そう考えると、頑張れそうですか?
「継続は力なり」を合言葉に、学習の習慣化に挑戦してみましょう。
小さくスタートしよう
やる気はもちろん重要ですが、必要以上のやる気は、時として弊害になることがあります。
熱意だけが強すぎると、最初から120%の力で頑張りすぎて、途中で燃え尽きてしまいます。
習慣化、続けることが最重要です。
1週間の中で一番忙しい日に合わせてレベルを設定するくらいの気持ちで構いません。
先ほどお話ししたように最初が一番苦しいですから、まずは小さくスタートして、安定してきたら少しずつ大きくしていくことをおすすめします。
身体を動かす時も、準備運動から始めますよね。
それと同じように、徐々に新しい習慣に身体を慣らしていくためにも、小さくスタートがポイントです。
理想に触れよう
理想、すなわち既に学習が習慣化している人を知りましょう。
身の回りでも良いですし、Twitterなどで学習記録を共有している人をフォローするのでも、何でもOKです。
このような「学習が当たり前」な人や集団に触れることで、自身の脳内でも学習が当たり前になってきます。
図書館に行くと集中して勉強できると感じたことはありませんか?
それには、静かな環境も要因としてありますが、周りがみんな勉強しているからということも大きな理由として挙げられます。
みんなが頑張っていると、その刺激を受けて自分も頑張れるという状態ですね。
また、このような理想に触れるということは、目標が明確になるという点でも重要です。
まとめ
生涯学習と聞くだけで嫌な気持ちになってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、学習は、新鮮な脳を保ち、充実した人生を送るためにも重要です。
学習を習慣化させ、変わりゆく時代の波に上手に乗り続けましょう。