初めに重要なことを1つお伝えします。
年収と幸福度は必ずしも比例するとは限りません。
すなわち「年収が高ければ高いほどその仕事は幸福度が高い」わけではありません。
例えば、いくら年収が高くても、その仕事が激務だと幸福度はどうでしょうか?
逆に年収は低くても、自身の興味に合っており、楽しんで働けていると満足度は高くなりそうですよね。
つまり、年収が高いから良い仕事だろう・幸福度の高い仕事だろうと安直に考えるのは危険です。
仕事は人生の多くの時間を費やすものですから、いくら年収が高くても幸福度が低ければ人生の充実度は低下してしまいます。
それでは幸福度の高い仕事とは、どのような仕事なのでしょうか?
具体的に見ていきましょう。
今後のAI時代を働く上で重要なことについても、あわせてお話します。
幸福度の高い仕事とは?
この記事では「幸福度の高い仕事」として以下の3点を挙げます。
- 人の人生に影響を与える仕事
- スキルの活かせる仕事
- 良好な人間関係の職場
人の人生に影響を与える仕事
満足度の高い仕事トップ5
- 聖職者(牧師、神父など)
- 理学療法士
- 消防士
- 教育関係者
- 画家・彫刻家
こちらは2007年にシカゴ大学が「高い満足度を与えてくれる職業とはどのようなものなのか」について調査した結果です。
約5万人の男女を対象に、30年間に渡って追跡調査した大規模なものです。
アメリカで行われたものであるため、日本では馴染みのない聖職者が1位となっていますが、結果をよく見てみると、パイロットや弁護士など、かならずしも年収の高い職業がランクインしているわけではなさそうです。
満足度の高い仕事の共通点
ではこれらトップ5の仕事の共通点はなにか。
それは「人の人生に影響を与える仕事」であるということです。
- 聖職者 → 宗教的に人を導く
- 理学療法士 → 自立した日常生活のための支援
- 消防士 → 命を救う
- 教育関係者 → 新しい知識を与える
- 画家・彫刻家 → 新しい感性を与える
いずれも人にダイレクトに影響を与え、感謝される仕事であると言えます。
この感謝されるということが、仕事の満足度に繋がっていると考えられます。
スキルの活かせる仕事
スキルの活かせる仕事の満足度が高い理由。
それは、その仕事をできる人の希少性にあります。
スキルの習得には相応の努力が必要であり、そのスキルを活用した仕事は誰でもできるわけではありません。
一般的なアルバイトなどとは異なり、代替がききません。
ゆえに自身の仕事に対して価値を感じやすく、それが仕事の満足度向上へと繋がります。
良好な人間関係の職場
良好な人間関係と仕事の幸福度には相関あり
最後は「仕事の種類」とは少し異なりますが、良好な人間関係の職場を選ぶことの重要性についてです。
社風が自身に合う・合わないという話もここに関連してきます。
職種に寄らず、職場の人間関係が良好であるほど、仕事の幸福度は高まる傾向にあります。
逆に、これまでに挙げてきたような一般に幸福度が高いと言われている仕事であっても、人間関係にストレスを抱えるような職場では、仕事の幸福度は一気に低下してしまいます。
それほど人間関係は重要な要素であると言えます。
人間関係は仕事のやる気や進捗にも影響
具体的に、上司との人間関係が悪い場合を想像してみましょう。
分かりやすい変化として、人間関係が悪いと会話量が減少します。
すると上司との間に距離感ができてしまいます。
余計に話しかけにくくなるという悪循環の始まりです。
このような状態には問題点が3つあります。
- 上司の機嫌や顔色を伺うことがストレスになる
- 分からないことを相談できず、仕事が進まない
- 努力が評価されない
これらは仕事のやる気を低下させてしまいます。
上司との関係は今日・明日で切れるものではありません。
さらに長期間に渡ってストレスを溜め続けることは、仕事の幸福度を下げるだけでなく、うつ病の発症リスクを上げる恐れもあります。
要注意な仕事
ここまで幸福度の高い仕事についてお話してきました。
続いて、逆に幸福度を低下させる恐れのある要注意な仕事についてです。
考えられるのは以下の3点。
- 単純作業や感謝されない仕事
- 将来性に不安を感じる仕事
- 自身との相性を無視した仕事
それぞれ詳しく見ていきましょう。
単純作業や感謝されない仕事
単純作業とは、具体的には倉庫ピッキングやデータ入力などです。
永遠に同じ作業が続くことで、集中力も切れ、やる気が低下してしまいます。
しかもこれらの仕事はお客さんを直接相手にするわけではありません。
基本的に個人作業です。
それゆえに、確かに誰かの役には立っているのですが、他の仕事と比較すると直接感謝される機会が少なくなってしまいます。
これは仕事のやりがいを実感しにくいことを意味します。
結果的に、仕事の満足度が低下してしまう傾向があります。
将来性に不安を感じる仕事
AIによる影響
現代の仕事に大きな影響を与えているものにAIの存在が挙げられます。
AI技術の浸透によって、現在ある職業の多くが失われると聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
そして該当する職業だと、「このまま続けていて大丈夫なのか?」「転職すべきなのか?」と不安を感じますよね。
この不安は、仕事の幸福度を低下させてしまいます。
コロナによる影響
AIによる影響の他には、コロナによる影響も挙げられます。
生活・仕事スタイルの大きな変化により、一気に優位に躍り出た仕事と、反対に窮地に立たされた仕事に分かれてしまいました。
出世の見込み
さらには出世の見込みがない場合。
現状に満足しているならば問題はありません。
しかし、出世が期待できず自身の将来像が描けない状態では、未来に不安を抱くことになってしまいます。
これらの不安を全く抱えていない人は少数です。
ですから、過剰に敏感になる必要はありません。
しかし、不安も一定量を超えると仕事の幸福度に影響を与える恐れがあることには注意が必要です。
自身との相性を無視した仕事
肉体的に大変、精神的に大変
仕事の大変さにも色々と種類があります。
例えば「肉体的な大変さ」と「精神的な大変さ」。
どちらの大変さをより大変だと感じるかは、人によって異なります。
ゆえに、どのような仕事をこなすことに向いているのか、分かりやすく言えば相性という問題が存在します。
オフィスワークor外回り
ある人は「外回りなんて夏や冬にエアコンの恩恵を受けられないばかりか天気にも大きく左右され大変だ」と考えるかもしれません。
そのような人はオフィスワークと外回りであれば、迷うことなくオフィスワークを選択するでしょう。
しかしまたある人は異なる考え方をします。
「オフィスワークなんて一日中座りっぱなしで、PC作業であれば目を酷使する」
そのような人は外回りを選択するでしょう。
つまり人それぞれ、価値観に応じて向いている仕事は異なります。
ブームに影響される
高給や一攫千金の可能性に惹かれ、興味もスキルもない仕事に飛び込むことは危険です。
近年ではYoutuberやデータサイエンティスト、その他エンジニア全般などが該当します。
もちろんその分野に関する知識(もしくは応用できる知識)を持ち合わせている場合や、お金以外の興味を持つ理由がある場合は問題ありません。
しかし、好きでもない仕事を一時のブームやネット情報に流されて始めるのはリスクの大きな行為です。
・続きません
・成長しません
・楽しくありません
AI技術の発展などにより職業は日々変化していますから、1つの仕事に固執して時代遅れになるのはいけません。
ですが自身との相性を無視してブームに流されすぎるというのもまた同様に危険です。
AI時代を働くうえで重要なこと
仕事は変化し続けている
少し産業の歴史を振り返ってみましょう。
第1次産業:農業、林業、漁業など
第2次産業:工業、建設業など
第3次産業:商業、金融業、サービス業など
昔は第1次産業で働く人も多くいましたが、時代の変化とともに第3次産業の割合が増加しました。
そして近年を振り返ってみると、新たな働き方が登場していることが分かります。
・YouTuber
・UberEats配達員
・リモートワーク
このように、仕事は時代の流れとともに常に変化し続けています。
今後の変化の中心はAI技術
人工知能(AI)の導入による職業の変化
出典:総務省|平成30年版 情報通信白書|職業の変化
こちらは総務省が公開している「人工知能の導入による職業の変化」を表した図です。
- AIの業務効率・生産性の向上効果により、機械化可能性が高い職業のタスク量が減少
- AIの新規事業創出効果により、新しく創出される職業のタスク量が増加
このように、AI技術が現在の仕事を大きく変えることが予想されています。
特に機械化により多くの仕事が失われることが分かります。
それでは、この変化に対応するためにはどうすればよいのでしょうか?
AIに真似できないスキルを身につける
AIは万能ではありません。
AIにも得意・不得意があります。
AIの得意なこと
AIの不得意なこと
このようなAIの特徴を考えると、単純作業や定型業務は機械化しやすく、将来AIに置き換わる可能性が高いことが分かります。
(というか既に置き換わり始めていますよね。)
一方、スキルを必要とするような複雑な仕事は、AIは不得意です。
つまりそのようなスキルを身につけることが、AI時代に適応しAI時代を生き抜く鍵となります。
まとめ
幸福度の高い仕事として以下の3点を挙げました。
- 人の人生に影響を与える仕事
- スキルの活かせる仕事
- 良好な人間関係の職場
スキルを身につけ仕事に活かしていくことは、仕事の幸福度を高めるだけでなく、AIとうまく共存していくためにも重要です。
年収だけに固執してしまうのではなく、幸福度の観点から仕事を考えることで、人生の充実度が向上することを願います。